「いまさら聞けないけれども、知らないと混乱するのが プロバイダー、ブロードバンド、という用語です。我が家はついに光にしたけど、なぜ電話回線とは別にプロバイダと契約しないとインターネットができないの?と素朴な疑問をよく質問されます。」
プロバイダー(ISP)とは
プロバイダ(インターネット接続業者)と契約してはじめてインターネットにつながります。プロバイダーの正式呼称は「インターネット・サービス・プロバイダー」で「Internet Services Provider」の頭文字を取り「ISP」略されます。
(provide=供給する、規定する)
電話番号が決まることによって、あなたが世界中の人と会話ができるのと同じように、あなたのパソコンにも固有の識別番号が割り当てられます。
この番号をIPアドレス(Internet Protocol)といい、この番号を割り振るのがプロバイダーの役割です。
わかりやすく説明すれば、IPアドレスはデータ通信利用許可のパスポート番号のようなものです。音声電話番号だって身元不明な人は使えませんよね?インターネットという世界のどこにでも自由に行けるのは、プロバイダがあなたの端末(パソコンやスマホ)のIPアドレスを管理しているからです。
実際にはIPアドレスは、空いている番号を融通しながら使用するので時々変わり、ずっと固定のIPにする場合は別料金がかかります。ですが、プロバイダー業者によって使用できるIP番号の範囲は決まっており、IPアドレスを見ればどこのプロバイダからインターネットに接続しているかすぐにわかります。(大企業、官庁、大学などは固有のIPを使用しています。)
通信回線とプロバイダの乱立
電話番号が決まっても、線を回して(回線)もらわないと電話はつながりませんね。同様にインターネットも通信回線を利用しなければ世界中とつながりません。この回線業者の代表的な存在がNTTであり、他に有線放送会社、ケーブルテレビ会社、電力会社などです。
回線事業としては、もともと電話回線を独占していた電電公社(現NTT)が圧倒的に有利な立場にありますが、NTT本体は、NTT法(日本電信電話株式会社等に関する法律)の規定でプロバイダ業務(IPアドレスの割り振り)はできないことになっています。
YahooBBなどはプロバイダ業務と通信業務を兼ねることができるので、一時期YahooBBは無料でモデムを配布して利用者を増やして来ましたが、現在ではNTT民営化後に発足した、OCN、ぷらら、WAKWAKなどのNTT系のプロバイダが圧倒的に有利な立場にあります。
NTTや電力会社などの旧来の第一種電気通信事業者(回線事業者)は、その公共性から山の中の一軒屋でも莫大な費用を投じて電話回線や電線を引きました。しかしYahooBBやKDDI(au)など、携帯電話の普及で誕生した新通信事業者は大都市圏優先でした。
インターネットの普及にともない通信の自由化を目的に、2003年には第一種・第二種という区分がなくなり、登録・届け出制になったために新会社が続々と誕生しました。そして競争の激化に伴ない回線網の整備(インフラの整備)は莫大な費用がかかることから、事業撤退や企業合併などを繰り返した為に、回線業者やプロバイダの名前も次々と変わり混乱した経緯があります。
(例)「TEPCOひかり」(東京電力)→「ひかりone」→「auひかり」(KDDI)
フレッツ光(ブロードバンド)とは
ブロードバンドとは「回線の高速化」を意味し、光ファイバーの発明によって大量の情報が短時間で送受信できるようになりました。光ファイバーによる高速データ通信をFTTH(Fiber To The Home)と言います。
従来のアナログ回線(普通の電話回線)では、映像や音楽などの大量情報を受信するには苛立たしいほどに時間がかかりましたが、FTTHでは1秒間に送ることのできるデータ量が圧倒的に増えて、インターネット上で映像や音楽配信などがスムーズに行えるようなりました。
但し、光ファイバーは大都市圏から優先的に施設されているため、過疎地ではFTTHの導入が遅れています。そんな場合はADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)を利用するようになります。 ADSLは既存の電話線に高速データ信号を走らせる技術で、従来の電話回線をそのまま使えるので初期費用も月額費用も光ファイバー通信に比べればかなり安いですが、ADSLの最大値が50MB/1秒で、光ファイバーの最大値が2GB/1秒ですので、その差は歴然です。
ADSLとFTTH(光)の違いをわかりやすく説明すれば、ADSLは一般道をそのまま流用する方式で、FTTHは新しく高速道路を施設して利用するということになります。但し、ADSLの場合は基地局(電話局)から遠くなるほど時間がかかり、FTTH(光)も、細い回線(光ファイバー)に共有利用者が多くなれば速度が遅くなり、さらにルーターから屋内無線(Wi-Fi)で接続すればさらに速度が落ちます。
(例)NTTのBフレッツ光→100MBの光ファイバーを共有する
NTTの光プレミアム→1GBの光ファイバーをを共有する
ブロードバンド+プロバイダ
2011年でTVのアナログ放送が終了し、すべてデジタル放送に変わるために、フレッツ光などの回線を新規に申し込むご家庭が増えていますが、ブロバイダと契約しないとインターネットにもつながりません。
FTTH(光通信)の最大業者はNTT東日本やNTT西日本ですが、前述したようにNTTは独占を防ぐために法律でブロバイダ業務が禁止されていますので、別にブロバイダーとの契約が必要になる訳です。ブロバイダをどこにするのかは、利用者の自由ですが光回線業者の最大手がNTTですので、必然的にOCN、ぷらら、WAKWAKなどのNTT系のプロバイダに契約するケースが多くなっています。
回線事業社とは別にブロバイダとの契約が必要になるのは面倒な気もしますが...転勤が多い職業の方の場合は、ブロバイダはそのままで回線業者を変えるだけでインターネットを継続できるメリットがあります。
大都市圏ではケーブルTVを利用する方が多いですが、ケーブルTVは回線&プロバイダを兼務できますので契約は1つで便利ですが、引っ越すと回線業者もプロバイダも新規に契約する必要が生じます。
Yahoo!BB(Softbank)や、auひかり(KDDI)のようにほぼ全国で利用できる回線&プロバイダ業者の場合は、住所変更で済みます。でも、マンションなど集合住宅では一括契約で選択肢がない場合もありますのでご注意をば
当面転居や転勤の予定がなければ、回線&プロバイダを兼ねるケーブルTVなどが、地デジTVやインターネット利用がオールインワンでセットになっていますので便利ですが、転居・転勤などの可能性がある場合には、TVケーブル回線業者とプロバイダは別に契約しておいたほうが良いかもしれません。
携帯電話+プロバイダ
近年はiPhoneやAndroid携帯などスマートフォンやタブレット端末が普及し、会社・家庭と外出先と、どこでも無線でネットにつながる時代になりましたが、繋がりやすさ(速度)も気になるところですが、やはり一番気になるのは割引料金プランやキャッシュバック制度だと思いますので、今後利用者が増えそうな、イー・モバイル、LTEスマホ、WiMAXなどを左欄に整理しておきましたのでご参照ください。
そもそも、『どうして携帯電話(スマホ)にプロバイダ契約が必要なのか?』疑問を感じる人も多いようですが、固定電話回線でも通話料(音声通信)とネット(データ通信)料が別になっている事と理屈は同じです。最近ではスマホはデータ通信だけの契約にして、料金を節約することが可能です。
「じぇ!じぇ!じぇ!そんな事できるの?」 「できますよ!」
現在はKDDI系のWiMAXとソフトバンク系のイー・モバイルのデータ通信が人気です。※繋がりやすさは利用者の環境によって異なります。
実際、Wi-FiやWiMAX利用者の多くは、携帯電話は最低プランで契約しておいて...
あるいは、料金の安いスマホ+タブレット端末でインターネット接続している方が多いです。
教えて!ドコモのスマホ節約術
月額980円からLTE高速通信が使える「OCN モバイル ONE」登場というマツコデラックスさんのCMを見たことあると思いますが・・・
▼CIMカードとは? |
パケット通信(データ通信)の契約と音声通信(通話料)は別々に支払う。
データ通信(=インターネット接続)は、CIMカードやWi-FiやWiMAX経由だけする。若者はこのような使い分けをすぐ理解できますが、おじさんはついていくのにもう必死です(^^;)
【OCN モバイル ONE】は、NTTドコモの端末(スマホ)に限ります。
通話もスマホでやすくおさえたいなら【OCN モバイル ONE】で050Plusのアプリを入れて、050から始まる電話番号を取得すれば一般(固定)電話への通話料も安くなります。 但し、2014年以降からは、各携帯キャリアも定額料金制でかけ放題等のサービスで対抗措置を行っています。 |
LTEとWi-FiとWiMAXって何よ?
■LTE
Long Term Evolution
■WiMAX
World Interoperability for Microwave Access
ま、ぶっちゃけ要するに高速無線通信(技術)規格ってことで(^^;)
私自身は、auスマホでLTE利用ですが
会社や自宅では光ルーター経由のWi-Fi(ワイファイ)でデータ通信しています。
Wi-Fiは自宅や店舗のルーターから無線で近距離データ通信を行う方式で、どの携帯電話(スマホ)でも共通です。ポイントはルーターが光回線でつながっているかどうかで...
LTEやWiMAXは速い!...と言っても
有線(光ファイバー)の高速安定性には敵わないでしょう。
自宅でスマホやタブレット端末を使う事が多い方は、LTEか?WiMAXか?の乗り換えよりも、ご自宅のネット回線とプロバイダ乗り換えを検討したほうが良いかと(^^;)
単身住まいで光通信の環境でない方は、最寄り基地局からのポケットWi-Fi(LTE)か、WiMAXを選択することになります。ポケットWi-Fiは登録商標なので、正確にはモバイル・ルーター(移動式通信中継端末?)とか、Wi-Fiルーターというべきなのでしょうが、ここでは面倒なのでポケットWi-Fiにしておきます。
LTEとWiMAXの繋がりやすさ(速度)は、環境によって違うのでなんとも言えませんが、従量制限のないWiMAXの方がおすすめです。それに、LTEは2年契約しばりですが、WiMAXは1年契約でOKです。
「うぅ〜ん。でも料金より、つながりやすさ(速度)が大切!」いう方は、先ずはレンタルでポケットWi-Fi(LTE)とWiMAXの両方を試してみてからでもいいのでは?
パソコンメーカー+プロバイダ
パソコンでインターネットをする方は、家電のパソコンメーカーは系列のブロバイダー会社を持っていますので、NEC、富士通、SONYなどの家電メーカーのパソコンを購入すると必然的にその系列のブロバイダとの契約を薦めるような仕組みになっています。
DELL(デル)、HP(ヒューレット・パッカード)などPC専門メーカーのパソコンを購入すると、提携するブロバイダへのお試し接続や、契約をすすめるようなソフトがプリインストール(初期設定)されています。
大型家電の入り口でチラシを配ってインターネット接続キャンペーンなどをしていますが、実際には人件費がかかっていますので、自力でインターネット接続設定ができる方は、ネットから申し込んだ方が費用が安かったり、キャッシュバックの特典がついています。これは家電量販店で携帯電話やタブレット端末を購入した場合も同じです。
余談ですが・・・
プリンターメーカー+互換インク・・・について
プリンターは純正インクでないと故障の原因となる。
と信じている方も多いですが、実情はプリンターメーカーは、本体販売では利益が出ないので消耗品(インク)で利益を出すしかないという事です。
もし不安ならプリンターのメーカー保証期間内は純正インク。保証期間を過ぎたら互換インク。これで、かなりの節約になります。印刷の多い人なら純正インク節約分で、数年後には新品プリンターが買えちゃうくらいです(笑) ⇒
教えて!互換インクとは?
主要プロバイダとフレッツ光
主なプロバイダーを系列別に並べてみました。
NTT系・携帯キャリア系・家電系が強いですね。
NTT系携帯会社系家電系電力系独立系 |
お得な乗り換え情報学生さんや一人住まいなら固定電話も不要ですが、店舗や事業では現在でもFAXは必須ですので、やはり通信が安定しているNTTのフレッツ光がおすすめです。 NTT フレッツ光 NTTのフレッツ光のリンクからは、代表的なプロバイダが選択できます。
ブロバイダは自由に選べますがブロバイダのサイトでは自社への乗り換え情報しか表示されませんので... |
プロバイダとレンタルサーバーは別ですので、プロバイダを変えてもメールアドレス(ドメイン)が変わる事はありません。
IT技術は日進月歩ですので、費用の安いブロバイダーに乗り換えたり、プロバイダーは変えなくても新プランに変更した方がお得なケースもあります。契約変更が面倒という理由で、旧プランのままプロバイダを継続されている方は、回線業者&プロバイダーを含めて再考なさる事をおすすめします。
特に中小企業でホームページ管理者(制作者)となった場合、現状のままで無駄な出費になっていないかどうかよく比較&確認されてみてください。